【養成講座】シードル香る未来の飯田(2/5)
2月5日のポムリエ講座は、いよいよどうやってお客様まで届けるか。
重要な「飲むシーン」「消費・流通」について考えるべく、
お二人の講師をお迎えしました。
お一人目は、野菜ソムリエの殿倉由起子さんに「イギリスのシードル生活」と題して
ご講演をお願いしました。
殿倉さんは、イギリスに留学経験があり、その当時、シードルに親しんだ経験や
シードルのある暮らしについて具体的にお話しを伺いました。
「ビールが苦手な人が飲む」「パイントグラスで、ビールのように楽しむ」という
イギリスのパブ文化のなかのシードル(サイダー)は、
受講生に、新しいシードルへの視点を与えてくれました。
また、野菜ソムリエとして、信州・飯田の食材や食文化、農業を含む地域の魅力と
「結びつく」新しい可能性として、シードルに期待するお気持ちもお聞きできました。
つづいて、シルクホテルの中田勝己社長より、「シードル香る未来の飯田」について
ご講演いただきました。
中田社長は、まず受講生たちにこう呼びかけました。
「乾杯をするときに、外国から輸入されたスパークリングワインを使うことを、
あれっ?と疑問に思いませんか?」
飯田市の域産域消の食育店にも認定されているシルクホテルさんでは、
地域の食材にこだわったお料理を提供されています。
そんな中田社長だからこそ、リンゴのまち飯田に、シードルがあり、
広く飲まれることは、自然なことと思われるのですね。
リンゴのまち、から発想しているポムリエ講座では、どうしても
「作ること」に視点が向きがちです。
でも、大切なことは、どうやってお客様まで届けるか。
中田社長や殿倉さんのお話しは、受講生のみなさんにとって、
とても貴重だったと思います。
また、私事務局が個人的に気になったのは、ブルゴーニュ・マコン村のお話し。
パリからマコンの駅までTGVで3時間、降り立ったマコン駅は小さな駅舎とレンタカー屋があるだけで本当に何もない。
でも、駅から出発すれば、すぐに一面のブドウ畑で、そんな村に世界中から買い付け人が訪れている。
リニアが来る13年後、飯田駅や飯田はどうあるべきか??
…みなさんはどうお考えになるでしょうか。
つづいて、同じ会場で試飲会に移りました。
本日のテーマは「南信州とイギリスのシードル」とし、
殿倉さんとシルクホテルの秦シェフとのコラボレーションで
地元の食材をつかった特別メニューとともにいただきました。
~スペシャルメニュー~
徳ちゃんのミニトマトのコンポート
ベビーリーフとベーコンのサラダ パルメザンチーズと共に
シルク特製田中麹味噌のドレシングで 頂くキャベツのポシェ
自社農園大根のポタージュ 白みその香り
自社農園ねぎと地元キノコのアヒージョ (しめじと美女しいたけ)
地元牛乳使用のシルクオリジナルミルクのパン と クルミのパン
地元牛乳使用のシルクホテル贅沢バニラアイス
特別に生産者の木下さんにもお越しいただき、
飯田市龍江West Side Farmのピンクレディ・シードルで乾杯しました。
木下さんは、北佐久郡立科町のたてしなップルさんに委託醸造を依頼し、
自身の栽培したピンクレディーから、ロマンティックなシードルを造られています。
ピンクレディー独特の清涼で、青味がかった風味は野菜との相性がとてもよく、
今日のメニューにぴったりです。
イギリスのシードル(サイダー)は、
・ ブルマーズ・ストロングボウ
・ ウエストンズ
・ シェッピーズのドラフトとキングストン・ブラック
を試飲しました。
ここで話題になったのは、シードルの「ファンキー」な香り。
動物的な、馬小屋のような、WBCの著者がいう「裏庭」の香りです。
この香りがあまりし過ぎると、かなり飲みにくいサイダーとなりますが、
イギリスの他、ドイツの伝統的なアップルワインにもしばしば感じられる香りです。
さすが、リンゴのまちに生まれ育った受講生のみなさん、敏感にこの香りを感じとられていました。
最後に試飲したのは、松川町フルーツガーデン北沢さんの
オーチャード・ハート・アップルワインを試飲しました。
松川町の㈱信州まし野ワインで委託醸造されたこちらのシードルは、
北沢さんの栽培されるピンクレディーとふじをブレンドした
スティル(非発泡性)のアップルワインです。
「オーチャード・ハート=果樹園の気持ち」がこもった味わいに、
本日のMy Best Ciderに多くの方が選んでいました!
みなさんの笑顔が素敵ですね!!
さてさて、次回はワークショップです。
これまでの座学から得た知識、試飲の経験などから、
それぞれに想いが膨らんでいると思います。
それをアウトプットして、次回はみなさんで
「シードル香る未来の飯田」を描いてみましょう!